ボブン(Bo-Bun)、フランスのお気に入り
フランスに来て、また好きな料理がひとつ増えた。フランスのとてもカジュアルなヴェトナム料理、ボブン(Bo-bun)だ。
こちらに来てからというもの日本食を恋しく思うこともなく食生活に馴染んでいる。といっても、アジアからの移住者も多いフランス、中華街もアジア人街もあるパリでは肉と乳製品から外れた食事が普通に食べられるのでそこは大きい。
この日は外出中のお昼にアジア系ごはんが食べたくなり、ならばとBelleville へ。Belleville はアジア人街といっても聖母教会とアラブ商店がお隣さんですぐ裏にはユダヤ寺院があったりセネガル系のバーがあったりする雑多な、いかにもパリらしいエリアのひとつ。
いつも Belleville では肉まんを買い食いしたりバインミー(bánh mì)を頬張ったり、あるいは排骨麺や海老雲呑スープの湯気でもうたまらん。たいていはメトロに乗っている間に食べたいイメージができて、改札を出て階段をあがったら食べたいお店に一直線する。
5月も半ばを過ぎ夏の空気が混じってきたからなんとなくヴェトナム料理の気分になり、話に聞いていたボブンにしようということになった。
このボブン、元はヴェトナム南方のサラダ料理がフランスに来て、早くて簡単・美味しい丼物へ変化したものらしい。冷やしたバーミセリ(米粉の麺)の上にレタス、茹でた海老や薄切り牛肉にもやし、人参なます、細切りきゅうりとたっぷりパクチー他香草を乗せた上に砕いたナッツをまいてヴェトナム揚げ春巻きをのせ、ニョクマムベースのソースが美味しいボリュームたっぷりの丼。
スイートチリソースっぽい甘辛の味に香草の風味、春巻きのパリパリ、ナッツのカリカリ、しっかりした海老とお肉、細いバーミセリのつるるんとした食感がたまらない。見た目から味から食感からお気に入りのひと皿(丼だけど)になった。
お店にはアジア系でない客層の方が多く、みんな上手にお箸を使って楽しそうに食事をしていたのが印象的だった。パリのカフェごはんやレストランなど外食は本当に高いし、こういうお手軽でボリュームのある(肉もしっかり!)美味しいアジアご飯はフランス人も大好きのよう。
Figaroのサイトで特集が組まれていたり、この味が忘れられないイギリス人旅行客がUKではどこで食べられるのか?とYahoo! Answersに投稿していりするのを見かけた。すっかり虜ですな。
すこし調べたところ、ボブンを出すお店はパリにはいくつもあるがヴェトナムや東京でこの丼形式のボブンを出しているお店は似たようなものはあれど(丼でなくプレートとか具が小皿に分けて出されるなど)見当たらなかった。
丼ボブンはフランス的なヴェトナム料理なのかもしれない。
<参考:Bo-Bunのお店・レシピなど>
Les meilleurs bo bun de Paris | Le Figaro.fr
Bo Bun (Vermicelles de riz au boeuf sauté) ou Bò bún / Bún bò nam bộ | La kitchenette de Miss Tâm
Bo-Bun Royal | De vous à moi...